相模原の家 newly built 2022

photo by Masao Nishikawa

家族構成:2人(母・息子)

既に40年ほど住んでいた家の建替えの依頼であった。
都心から30~40分の郊外だが、近くに川や里山があり、非常にのどかで素朴な立地である。お施主さん自身も近くに小さな畑を持ち、季節の野菜の収穫を楽しんだり、長年で築かれた温かな地域のコミュニティーを大切にされていらした。40年以上前に一斉に区画整理されたその土地の街並みは、建物のデザインこそバラバラであるが、経年劣化の程度や当時の木造住宅の雰囲気が一定の統一感をもって並んでおり、この風景にある程度馴染むのもでなければというのが、最初に考えたことであった。デザイン的なことはほぼお任せ頂いたが、お施主さん親子が年齢的に落ち着いた世代ということと、建替えで既に地域に根付いている方のため、出しゃばらない安心感のあるデザインにしたいと思った。

デザインはコンサバティブであるが、ファサード面に木製のサッシを使用し、素材とディティールで魅せられるよう意識した。太陽光パネル導入の希望があったため、効率的に光を取り入れるため、建物配置を南面に正対し、東側の道路から角度がついたことが、結果的にファサードとしてとても良いアクセントになった。

私自身が最もこだわったのは、室内の温熱環境であった。基礎下内断熱とし、床下空間をエアコンであたため、床の吹き出し口から1階全体を暖められるようにした。ランニングコストのかかる床暖房をあえてやめ、エネルギー効率の良い壁掛けエアコン1台で床下を暖房、断熱材の種類、量、入れ方をち密に計画し、慣れない現場の方々にも頑張っていただいた結果、非常に居心地の良い空間となり、お施主さんが大変喜ばれたことは私自身の喜びでもあった。今後の設計活動においても、ターニングポイントになったプロジェクトであった。